普遍史

昨日ある所であいさつする機会があり、旧約聖書の大事さについて話をしました。なにもキリスト教に入信することを勧めたりしたわけではありません。

 普遍史と呼ばれる歴史叙述が前近代の西ユーラシアで行われていたこと、そしてその大元には旧約聖書があるので、歴史を学ぶときに旧約を知っておくことは重要だという趣旨です。

 旧約聖書は天地創造から始まってモーセ五書、ヨシュア記、士師記、サムエル記、列王記とユダヤ民族の王国が滅ぶまでを叙述していき、さらにエズラ記、ネヘミヤ記と、神殿が再建される時代まで扱っています。さらにダニエル書の黙示や、外典のマカベア記まで入れれば、シリア戦争やマカバイ戦争までの歴史が描かれているともいえるわけです。こういった記述に新しい情報を加えることで、普遍史が再生産されていった、そういう歴史叙述の歴史が、実は近現代の歴史教育にも影響を及ぼしていないか、その辺の検証が現代の歴史教育を考えるうえでも不可欠だと思います。

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